天満天神繁昌亭
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竣工見学会&狩野忠正氏の設計余噺

上方落語協会や地元商店街などが市民の寄付を募り、大阪天満宮(大阪市北区)の隣地で建設していた、落語専門の寄席「天満天神繁昌(はんじょう)亭」の建物が完成しました。

幸運にも、9月15日のグランドオープンに先駆けて、9月7日、大阪府建築士会主催の見学会に参加することができました。
繁昌亭は、市民・企業から約4400件計約1億8500万円の寄付を集めて建設資金とし、天神祭の船をイメージした建物の内外には寄付者の名前を入れたちょうちん約1540個をつるしています。
落語専門の寄席は関西では戦後初めて。
多くの人気落語家でおなじみの上方落語ですが、意外にも毎日公演する定席は戦後すべて姿を消しました。
60年ぶりの復活に動いたのは上方落語協会長の桂三枝さん。
かつて「天満八軒」と呼ばれ、芝居や寄席小屋がひしめいた地元の商店街が三枝さんの要請を受けて立ち上がり、大阪天満宮は用地の無償提供で応えたそうです。
大阪人の心意気の復活といえそうです。

「とにかく予算がなかった。ここまでたどり着いたのは奇跡です。」と設計者の狩野氏からの苦労話をお聞きしました。
寄付者の名前を入れたちょうちんが天井一杯につり下げられています。

寄付は一口1万円で、建物の内外に掲げられる提灯に(6人一組で)名前が入れてもらえました。10口以上なら一張りの提灯に一人の名前が入ります。これが人気を呼んだのか、1年ほどで目標額を集められたようです。開業後も寄付を募っていますが、提灯は一杯になったので、一口なら芳名帳に、10口以上ならプレートに名前を載せてもらえるそうです。
緞帳も寄付で。
模様は生田花朝先生の「天神祭」を元にしてデザインされたそうです。
2階から舞台を見る。
米朝師匠が書かれた「楽」という文字の額。
私も高座で「こばなし」といきたいところですが、ここで記念撮影。
高座
1、2階定員計256の演芸場のほか、和食堂、協会事務所などが入っています。
1週間替わりの昼公演のほか、夜は日替わりで独演会などを開かれます。
楽屋
出囃子(でばやし)